NO.3 Length of Ocellar Setae
- ibfuita
- Dec 19, 2025
- 5 min read
Updated: Dec 25, 2025
Today's theme is "Length of Ocellar Setae."
"Ocellar setae" means setae arising nearby the occelli.
Ocellar setae is sometimes shortened to "Ocellar."
NO.3
Length of Ocellar Setae
Importance: ★★★★★
Difficulty: Very easy
Tachinid flies are separated into these 3 types below, in terms of the length of ocellar setae.
①Ocellar setae well-developed (=strong).
②Ocellar setae not well developed, short and hair-like.
③Ocellar setae missing.
SO, there're the cases no ocellar setae are found!
We'll start taking a look at the actual example.
⚫︎Ocellar setae well-developed

Ocellar setae is arising around the anterior ocellus. You will also find a few setae arising behind the posterior occelli, but we don't refer to these as "ocellar setae." These have a different term, and I'd like to introduce them elsewhere someday.
The characteristics that "where are the ocellar setae positioned in relation to anterior ocellus" can sometimes be a key when identification, but I'll leave that explanation later, as well.
How about the next one?

Compared to the previous one above, ocellar setae are relatively short. Does this tachinid fly belong to the group "Ocellar setae short and hair-like"? The answer is "no." These ocellar setae are also described as well-developed. Ocellar setae are far shorter in the group "Ocellar short and hair-like."
What on the earth determines the boundary, then? In my experience, there're few cases in which this feature is obscure.
However, we have this criteria, to be exact.
Ocellar setae > 1/2 of the uppermost frontal setae … well developed
Ocellar setae ≦ 1/2 of the uppermost frontal setae … short and hair-like
ただし,最も上のFrontal setaeとの比較の代わりに,最も上のOrbital setaeとの比較で書かれていることもあるような気がします.
Frontal setaeやOrbital setaeについては,次の図を参考にしてください.ここら辺の頭部の剛毛については,また後ほど別の機会で説明することになると思います.

⚫︎Ocellar setae short and hair-like の場合

拡大してみてもらえればわかりやすいと思いますが,単眼剛毛はかなり短く,さらに,細いですね.軟毛/hair よりは明らかに長いとは言え,他の周りの剛毛と比べればかなり短い.
もう一つ例を見ます.

一見ないじゃんと思うかもしれませんが,よく見るとしっかりあります.が,これはほぼ 軟毛/hairに近い程度しか長さ・太さがないですね.
⚫︎Ocellar setae missing の場合

Ocellar setaeないですね... 毛根/ソケット も見当たらないですから,もとあった剛毛が取れたわけでもないです.単眼付近には, 軟毛しかありませんね. Drino属は, Ocellar setae missingの種が多いことで有名です.
ということで,単眼剛毛の長さについて見てきました.割と簡単ですよね.しかし,注意すべき点があります.次の 2点です.
⚫︎注意点1 剛毛が取れている可能性を考える
ハエが生きている間は意外と剛毛取れにくかったりします.しかし,死後,乾燥してしまうと,少し触れただけで,いとも容易く剛毛は折れたり抜けたりしてしまいます.ひじょうに厄介ですね.さて,次の種類の Ocellar setaeは上記の3つのうちどのタイプでしょうか?

一見,Ocellar setae missingに見えますよね.しかしよく見てください.
前単眼の両隣に,剛毛の毛根/ソケット があるのが見えますよね.丸いくぼみです.つまり,ここに Ocellar setaeが本来生えていて,それが取れたに過ぎないのです.

そしてこのソケットはかなり大きいですよね.つまり,ここに本来生えていた剛毛はかなり太く長めであったのではと推測できます.Ocellar short and hair-likeの個体なら,Ocellar setaeが取れてもここまで直径の大きなソケットは残らないでしょう.あくまで推測の域はでませんが,この個体は高い可能性で Ocellar setae well-developedだろうと推測できるのです.
このように,常に剛毛が取れていないか気を付ける必要があります.剛毛が取れただけなのか,もともと剛毛がなかったのかという違いは,毛根/ソケット の有無で確認できます.さらに,毛根/ソケット の直径を見ることで,もともと生えていた剛毛の長さを大まかに推測できるのです.
⚫︎注意点2 変異
剛毛を見る際に注意が必要なのは "変異" です.そんなに頻繁なものではないだろうと軽く思う人もいるかもしれませんが,実際は剛毛の形質にわりと変異が見られます.
"変異" は,ハエの同定を一気に難しくします.

上の写真では,単眼剛毛の本数に変異があります.単眼剛毛は基本的に,1対だと思いますが,この個体では 右側の単眼剛毛が2本になっています.
別の種類ですが,単眼剛毛が左右とも2本となる顕著な変異個体も,自分の手元の標本の中にありました.
さて,この場合は,本来は1対だったろうと用意に推測できますが,いつもそうであるわけではありません.例えば,次の例はどうでしょうか?

左側は単眼剛毛が存在しますが,右側では存在しません.上の写真だと,右側にソケットがあるようにも見えるのですが,これは影で黒く見えているだけですね,実際にはソケットさえ存在しません.
これでは,どちら側が本来の状態で,どちら側が変異による異常なのか,さっぱりわかりませんね... これだと種類判別のとき,ものすごく困ってしまいます.
結果から言うと,左側が変異です.この種類は本来,ocellar setaeを持たないです.
しかしこれは, 他の多くの形質を確認して, 種類を確定させた後に判明したことです.
変異が存在し, どちら側が本来の姿かわからない場合, その形質は一旦脇に置いて, 他の形質を精査するしかありません.
じつは今回の場合は,Compsilura属の総説論文の中に,「C. concinnataで稀に単眼剛毛が発達する個体がいる」という旨の文が書かれています.それを聞くと少し安心しますね,変異とみなしても問題はなさそうだと言えます.
しかし,先行研究で示されていないような変異をもつ個体を採集することもありますよね,そのようなときは,手元の個体を変異と見做していいのかいつも不安ですね.
経験上,単眼剛毛はそこまで変異が頻繁に見られる部位ではないと思いますが,それでも変異個体は少ないながらいますし,注意が必要なのは間違いないですね.
さあ, いかがだったでしょうか?
NO.3では, "Length of Ocellar Setae"について解説しました.
ぜひいろんなヤドリバエの単眼剛毛を見比べてみてください.


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